はい!Sahitoです。
オケに合わせてボリュームの調整をしても、オケに声が埋もれたりしていてもっと手前にボーカルを手前に出したいという場面があります。
そんな時に使いたい機能としてイコライザー(EQ)というものがあります。
このイコライザーは初心者にとって上手に設定することが難しいことが多いので、あくまで僕の知識の範囲内となりますが、分かっていることをなるべく噛み砕いてお話したいと思います。
イコライザー(EQ)とは?
イコライザー(EQ)という機能では、音源の周波数を一部調整することで低音を持ち上げたり、音にハリを出したりすることができます。
これにより音量調整とは別に、音がオケに埋もれることなく手前に引っ張り出して来たり、逆に意図的に主張を抑えることができます。
僕が使っているイコライザー(EQ)VSTプラグイン
まず、僕が使っているVSTプラグインの画面をご覧ください。
こちらはTDR NovaというVSTプラグインで、無料で利用することができ機能も非常に充実していますので非常にオススメです。
このイコライザーでは4箇所+2箇所(ハイパス・ローパス)の周波数で調整することが出来ます。
操作方法
①チャンネルの選択
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳのボタンから好きなものを選択して、その下のON/OFFボタンでONにします。
②調整する周波数の設定
FREQのつまみを回して周波数を調整します。
右に回すほど高い周波数となり、左に回すほど低い周波数となります。
ちなみにつまみの回し方ですが、つまみをクリックした状態で上にドラッグすると右に回り、下にドラッグすると左に回ります。
また、数字の所をダブルクリックして、直接数字で入力することも可能です。
③Qの調整
次に②で指定した周波数の周りをどれくらい引き連れて変化させるかをQのつまみで調整します。
右に回すほど周囲の周波数に広く影響を与え、左に回すほど指定周波数のみに鋭角に影響を与えるようになります。
④GAINの調整
最後に指定した周波数をどれくらい上下させるのかをGAINのつまみで調整します。
以上が大まかな流れとなります。
詳しいパラメータについて
上記で説明できていない部分についてこちらにまとめておきます。
・Analyzer(画面右上)
アナライザーとは音声の周波数を目で見えるようにアナライズ(表示)する機能のことです。
・Analyzer:In
TDR Novaにインプットされた原音の周波数をアナライズする。
・Analyzer:Out
TDR Novaでエフェクトを施した後アウトプットされる周波数をアナライズする。
・Analyzer:SC
サイドチェインに設定してあるトラックの周波数をアナライズする。
・Analyzer:Off
アナライザーを使用しない。
・HP(ハイパスフィルター)
HPボタン下のFREQで周波数を設定し、SLOPEでハイパスフィルターのカーブを調節する。
・LP(ローパスフィルター)
ハイパスと同じくHPボタン下のFREQで周波数を設定し、SLOPEでカーブを調節する。
・Q
数値が大きければ大きいほどイコライザー曲線の変化が極端になる。
・FREQ
ブースト・カットする周波数を設定する。
また、Q・FREQ上の三つのボタンでシェイプの種類(シェルビングハイ・ピーク・シェルビングロー)を選択する。
・GAIN
FREQで設定した周波数のゲインを調整する。
・THRESHOLD
ゲインコントロールをする音量のしきい値を設定する。
・SPLIT
ボタンをONにすることでそのバンド毎に個別の数値を設定できるようになる。
周波数帯の特徴
あくまで参考ですが周波数帯における特徴(かなり抽象的ですが)をまとめておきます。
僕はボーカルMIXを主として使っているので、ボーカル音声に有効な周波数を太字にしておきます。
・40Hz
音程と呼べないレベルの地響きのような音
・50Hz
バスドラムの余韻
・60Hz
バスドラムの低音部
・150Hz
ベースの低音域
この辺りの周波数を上げると低音が持ち上がり、力強い感じが出る
・250Hz
ボーカルの低音
この辺りの周波数を持ち上げると迫力が出る
・350Hz
この辺りの周波数をカットすることで、音をスッキリとさせることができる
ただし、抑え過ぎると音の温もりも失われてしまう可能性がある
・400Hz
この辺りの周波数をカットするとスッキリした音になる(音の篭り対策)
ただし、サビなど高音域ではこのあたりの周波数に入ってくるので、注意が必要
・500Hz~1kHz
楽器のメインとなる周波数
・1kHz
この辺りの周波数は人間が聞き取りやすい周波数となるため、ここを持ち上げることで前に引き出して聞こえるようにできる
・2kHz
この辺りを持ち上げると、ハリがある音になる
・6kHz
この辺りの周波数を持ち上げると音が突き抜けた印象になる
・8kHz
この辺りの周波数を持ち上げると近くで歌っているように感じたり、息づかいを感じるようになる
また、音の篭り対策としてこの辺りの周波数を上げる方法もある
・12kHz
リバーブの残響音
・16kHz~
ほぼ聞こえない周波数に入ってくるけど、ここをカットしてしまうと籠って聞こえるかもしれない
一言アドバイス
本当に抽象的な説明となってしまいましたが、実際に聴きながら設定をいじってみて「ここを持ち上げると音が前に出てくるな」とか「ここをカットすると音がスッキリするな」とかを発見するのが一番の近道だと思います。
ではでは!
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