はい!Sahitoです。
ボイストレーニングを受けていて僕は先生にこんなことを相談しました。
「先日歌っていた時に、何だかいつもと違う喉のバランスになっていて、それが不思議ととても歌いやすかったんです。
これまで僕は歌う際はしっかりした声を出さなくてはいけないという思いがあったのですが、その時の声はしっかりしているというよりは小回りの利くタイプの発声だった気がします。
これは間違った方向に向かってしまっていないでしょうか?」
これに対して先生はこのように答えました。
「発声練習する上であれば、出してはいけない声は無いんです。
寧ろその表現しかできないという方が宜しくないですね。
あくまで喉を壊さなければ、色んな声を出せた方がいいでしょう。」
これを聞いてハッとしました。
固定概念にとらわれずに、もっと色々試していきたいと思えるようになりました。
声の選択肢がある状態を作る
一つの声しか出せない状態で、選択肢はそれしかないからその声で歌うという状態は、勿体ないことなんです。
色んな声が出せる状態で、使いたい声を自ら選択して歌うことが出来た方が、表現の幅も広がるし目指す方向に向かいやすいはずですよね。
その声の選択肢というのは、今日までの声の研究によってかなり解き明かされてきていて、大きく分けて7種類の声に分類するアンザッツメソードという考え方が現在のボイストレーニングのメインとなっています。
アンザッツメソード
この7種類の声を自在に出せるようになると世の中で聞くことのある声の大部分をカバーすることができます。
声の違いを生む要素は下記のとおりです。
・地声系の発声or裏声系の発声
・喉仏の高さ
つまり逆に考えれば、地声と裏声、喉仏の高さを自在に操ることが出来るようになれば、様々な声が自由に出せるようになるという訳です。
それでは早速全ての種類をご紹介します。
■地声系
「アンザッツ1」
・喉仏:高い状態
・イメージ:鼻にかけたような地声
・似ている声:志村けんのバカ殿・黒柳徹子
「アンザッツ2」
・喉仏:少し低い状態
・イメージ:さわやかな明るい地声
・似ている声:歌のお兄さん
「アンザッツ3a」
・喉仏:低い状態
・イメージ:太い地声
・似ている声:バス(歌手)・野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
「アンザッツ3b」
・喉仏:高くも低くもない状態
・イメージ:フワッとした柔らかい地声
・似ている声:美輪明宏・平井堅・美空ひばり
■裏声系
「アンザッツ4」
・喉仏:少し低い状態
・イメージ:明るい裏声
・似ている声:ミッキーマウス
「アンザッツ5」
・喉仏:高い状態
・イメージ:甲高い裏声
・似ている声:目玉のおやじ
「アンザッツ6」
・喉仏:低い状態
・イメージ:太い裏声
・似ている声:米良美一
これらを全ていきなり出し分けるのは至難の業です(笑)
こんなに種類があるので、1つ1つ探り探りでやっていたら膨大な時間がかかってしまいますし、間違ったアプローチで探していたらずっと見つけられないままになってしまいます。
アンザッツに関しては、個人的にはボイストレーニングの先生に「こんな感じ?」と聞いてもらって、「もう少しこんな感じにしてみて」といった修正をもらいながら直していくのが一番だと思います。
でもボイストレーニングを受ける前から「こんな感じかな?」と試してみておくことは十分役に立つと思いますので、手探りで予習してみておくこともいいと思います。
一言アドバイス
声の幅が広がっていくと、自分がどれだけ井の中の蛙だったのかを思い知ります。
僕の場合は、こんなこともできるのかという楽しさから成長が加速しました。
また、今回お話ししたアンザッツは出せるようになることが目的ではなくて、出せるようになったアンザッツを使って発声練習していくことが更に先にある目的なんです。
アンザッツでの発声練習は今後自分が強化していきたい箇所をピンポイントで強化できるので、一生使えるものなんです。
地声で出せる範囲を広げて裏声とのつながりをもっと滑らかにして行こうとか、そういった課題ごとに使い分けられるのでまずはアンザッツをものにしたいところです。
僕自身もまだアンザッツ6等は完成度が甘く、もっと太く出せるように練習が必要な状態です。
少しずつ出来ることを増やしていって、もっとやりたいことを実現して自由に歌えるようになるようにしていきたいと思います。
ではでは!
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